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2015.10.13 / ブログ

受け継がれる『想い』

今年、開創1200年で賑わう高野山の玄関口『高野口町』 その町の正に玄関口である『高野口駅』の前に建つ、 元旅館『葛城館』(かつらぎかん)をご存知ですか? 明治後期に建てられた木造三階建てで、二方面が硝子張り の繊細かつ大胆で、迫力有る姿が人の目を引き付ける魅力 的な建物で、2001年に国の登録有形文化財に登録されてい ます。 残念ながら、今は営業されておらず、普段は中に入らせて 頂く事が出来ないので、機会があれば是非、中も見学させ て頂きたいと常々思っていたのですが、『和歌山サローネ』 の会場の一つになっていると言う事で、少し足を伸ばして 見に行って来ました。 (※公開期間は10/12で終了してます) 二方向硝子の建具が入っただけの開放感ある木造三階建て の外観、圧巻でしょう?いつ見ても見惚れてしまいます。 葛城館外観1 葛城館外観2 葛城館の前に建つ『高野口駅』も情緒ある木造駅舎です。 高野口駅 中には歴史を感じさせる貴重なものが沢山、ワクワクです^^ 葛城館内部1 展示されている作品も空間の魅力を引立ててました。 (これ、建物メインの目線ですよね、芸術メインの方だと 空間が作品を引立てるとかって書き方をされるハズ) 葛城館内部2 葛城館内部3 住まい手さんに貴重なお話しを色々聞かせて頂いたのですが、 数年前に大掛かりな改修をされて、長年放置されていた建物 を蘇らせたそうです。かなりの大きさなので、後ろ半分は潰し て住居として建て直し、前半分を家起しをして建築当初の姿 に戻されたそうです。 それには、想像以上のエネルギーと時間とお金が必要だった と思いますし、これから維持していくのも簡単では無いでしょう。 それでも住まい手さんを突き動かしたのはなにか? それは「自分達の代で、この建物を壊す訳には行かない」との 想いだそうです。 古い建物は当然老朽化していますし、耐震性等にも不安があり、 良い建物だから残すべきだと言うのは簡単ですが、現実的には かなり難しく、残念ながら残る建物より取り壊される建物の方が 断然多いのが現状でしょう。 それでも、残す道を選ばれた『葛城館』が、これからも沢山の人 に愛され、町のランドマークとして受け継がれていく事を願って います。 建物をつくる側の人間として、自分達がつくり出す建物が、人に 愛され続けて貰えるだけの魅力あるものになるよう、日々切磋 琢磨して行きたいと、改めて思わせて頂きました。 念願の内部見学&芸術鑑賞、満喫させて頂きました。 展示されている作品と空間の相乗効果、素晴らしかったです^^ 『和歌山サローネ』では、他にも色々と旅する気分で芸術を幾つか 楽しませて貰いました、そのお話しは又機会に^^